〇〇とネコ

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思い出の色とネコ

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全然違うけど、同じ。


私が人生で初めて個展をしたのは渋谷のアップリンクのギャラリースペースだった。閉館となるニュースを先日見て、なんだか懐かしいような、なんとも言えない気持ち、いろんなことに一区切りついた気持ちになった。

 

10年くらい前。イカスミルク展という展示会をしたのが渋谷のアップリンクのギャラリースペースだった。
(私は映画にも深くなく、宇田川の育むカルチャーにも深いわけでもなく…勢いと若さだけで一度開催できた感じだったけども。)
黒と白の作品、イカスミ色とミルク色の作品がぶつかり合い並ぶ展示会。その時の展示会のDMハガキも、猫だった。灰色の目の猫がフラフラおしり星見せながら歩き、振り向く猫。


濁った瞳、でも目を閉じてやらないぞ!って言いたげな猫。

 

当時、私の人生はなかなか暗黒で「とにかく描いて展示してみたい!」という勢いだけで、ダメ元でアポを取った記憶がある。

せっかくの機会をもらったことをうまく昇華できたわけではないが、かなり自信をつけさせていただいた。

今年の1月に「また展示会をするならイカスミルク展やりたいな」と思い始めてた。

育児とコロナで少しポッカリしてそこから数ヶ月いっさい作品作りせずに過ごしていた。

そういう時期なんだろうな、と思い子供との時間に没頭した。

そんな矢先、思い出の地がなくなることになった。

 

不思議と悲しいとかでなく、しかし気持ちに一区切りついた。変わっていく中で、昔の自分の中に今ないモノを見たのかもしれない。

失っていく、留まれなかった、そんなときムクムク湧いてくる気力。

イカスミ色がミルク色に混じり湧きあがる彩。

またそんな展示会をまたしたいと思う。


(近頃の〇〇とネコ、感傷的な話ばっかり!)