木の葉とネコ
秋が好き。
季節の変わり目に「夏の終わり」だとか「春の訪れ」とかいうが、秋はどこかに行ったり終わったりする感じはしない。明確な出会いも別れもなく、いつのまにかいて、いつのまにか深まって、いつの間にか去っていく。
気安くていい。秋って猫みたい。ほどよい。
秋になると木が葉っぱを落とすように、私も無性に手放すことに前向きになれて、この時期はモノをよく手放す。
髪を切ったし、服を処分した、靴を処分もした。押入れの中の整理も楽しい。回復しなかった鉢植えも手放したし剪定もザクザクやった。
この時期手放したものはスッパリ忘れられるし、「英断だった!」と思えるくらい後腐れがない。手放したぶん空きがでて、空いたぶん新しい趣味や遊びに手をつけてみたりする。ある日ポコッと生えるキノコみたいに好奇心がポコポコ湧く。
秋が好き。