髭と猫
「知ってるけど実物みたことない」というものがたくさんある。付け髭がまさにそれ。
小説や映画、漫画の中ではよく見る付け髭。
実際に見たら話の筋を外れて「見せて見せて」ってなるに違いない付け髭。
地毛をフッサリ生やしている髭の人には全く食いつかない。
髭が好きというか、敢えて付けた髭、というレアな状況に食いついてしまうと思う。
(それとも私が知らないだけで、つけまつげくらいメジャーなのかもしれないが)
猫にもたまーにチョビ髭みたいな毛が生えてる方がいて「見せて見せて」とじーっと見てしまう。
猫は全身毛だらけなので「そりゃそういう柄もつ方も自然にいるでしょうよ」と私も頭では分かっていても、つい見入ってしまうよ。
チョビ髭猫も「うわー、たまにいるんだよなこういう人…」って顔なので申し訳ないが、
たまに「あー、なんか人間ってこういうの好きらしいね」とばかりに見せてくれる方もいる。
髭の形がどうとかはなく「生えてるなー!」と分かりたいだけ。なんだろうこの欲は。
「うん、生えてるな!」と分かって満足する、動植物園で花を見る感覚と似ている。静かな興奮。